さあ、2学期だ!

<2学期の勉強> いよいよ本気ですぞ!
ちなみに、ここでいう「1学期」は高校での数学で得た知識を入試を意識してそれに向かっての地ならしというか、調整する期間「2学期」というのは実際の入試問題に対峙したときにそれを解決するための実力を養成する期間と思ってもらえばよい.

(1) 予習の要領
実力をつけるには予備校のテキストがよい.なにせ「答」がついていないそこがよいのだ.はじめから終わりまで君が責任を取らねばならないからだ.
まず大学ノートを用意して、1題あたり1ページを割く.足りないところはレポート用紙に書いて貼り付ければ良い.そこで1題ごと、その内容をシッカリ読んで、その概要をつかんでから解答に取り掛かるこのとき決して「ナマ」であってはならない.具体的には以下に説明する.
解けた問題の扱い
これらには「バツ印 」をつけてこれはもう 一生見ない」 ことにする
そこまでキッチリとツメておかなければならない.これは授業のときにやる.2学期は1学期とちがってノンキに復習などをする時間がないから、ここで復習も同時にやってしまう.
★ 解けない問題をどうするか
少なくとも1時間くらいは自分で悪戦苦闘をしてみる.そうすると、その問題の構造や本質が見えてくる.時には「こんな計算、やるのかよ」と思うときもあるだろう.
そういう時でも「やりぬく」のです.それが現在ただいまの君の実力だから仕方がない.
いよいよダメなら、これに「マル印 」をつけて残す.この日は次の問題にかかる.
このとき、安易に解答を見たり他人に訊いたりしてはならない.それをやれば何もかも「ああそうか」で終わってしまい、「実力をつける」という目標が空回りしてしまう
その1時間で「見えない」ときはその日は棚上げにする.そして、次の日も1時間だけ本気で戦うのだ.次の日も、また次の日も.そういうことを続けていると、君はその問題と特別な関係になるここからが「本当の勝負」なのです.そういうことに慣れてほしいのです.
実際、答案というものはなかなかウマクは書けない.2回書いても同じに書けるものでもない.論理構成、やその展開が相手にストレートに伝わるにはそれなりの説得力が求められるが、そうなるにはかなりの訓練をしなければならない.理想的には何回も書き直しても同じになるくらいのレベルを目指して精進するしかない.
そして、それはどの科目にも要求されることであり、実際に仕事の現場でも求められる基本的な能力ではないかと思うのです.頑張れよ.辛い思いをした分だけ君の人生は太く豊かになる.この爺さんが言うのだから間違いはない、

(2) 模試の受け方
大体、君たちのテストを受ける回数が少ない.そして、あまり受けたがらない.まあ、テストの好きな人がそんなにいるとは思えないが、通過しなければならない訓練だから仕方がない.
私の場合はどう思って耐えていたのだろう.そうして身に着けたコツを教えてあげよう.
 テストの受け方
まず、君の仕事は「書いて出す」 ことで、「点をつける」 のは先方の仕事なのだ.アチラの仕事をあれこれ思い悩んでも仕方がない.こちらとしては、細心の注意を払って誠実に書けばそれでよいのだ.
満点などとろうと思うな.まず「50点以下は絶対にとらない」ことを目指せ.そうすると、なぜか平均点が65~70になる.これはきっと「とりこぼし」がなくなるからだと思う.
それにテストの前の晩は予習をしなくてもよい.これはうれしいよ.一杯やって寝てしまえ.
とにかく気を使わずにアタマを使うことだ.
「お茶とおやつ」 と 「文庫本」 を持参すべし
「お茶とおやつ」は何のために必要か.それは、例えば1時間目に大失敗をしたと思ってもらいたい.この落ち込んだキモチを引きずったまま2時間目を受ければ必ず失敗する.何としてもこのキブンを2時間目には断ち切ってしまいたい.どうすればよいか.
人間というのはなんとも浅 ましい生き物で、何かおいしいものを食べるとさっきの苦痛などをケロっと忘れてまたやる気になったりするところがある.ウソだと思うなら実際にやってみるとよい.私はあのころチョコレートが世界で一番おいしいものだ、と思っていた.その1カケラで勝ったことがあるのです.
「文庫本」は何のために必要か.要するに 「いらない情報」 を自分の皮膚感覚から中に入れないためだ.中には友達と来ているヤツがいて、よせばいいのに 「答え合わせ」 をしたりしている.そんなことを聞かないためだ.外に関係のない「自分の世界」 に自分をおいておけ
今ならスマホもあるが昔は「文庫本」しかなかったのです.マンガでも何でもよい.ただし、ポケモンを追いかけてどこかに行ったりしないように注意のこと.そして何より疲れないこと.

いつもはダラダラしていてよい.問題文と向き合った 「ほんの一瞬」 、君の体の全神経気力一直線に整えることができれば、あとは自動的に走れるだろう.それはデキルとかデキナイとかを超えた次元の心境です.

<おしらせ>
イマイチ講座 「確率 ・ 統計」 

     10 / 15 (土) 15:00~16:30 会場は河合塾横浜校
です.これで2016年弩は終わりです.詳細はパンフレット(クリック)をご覧ください.

「1学期」を終えて

毎日暑いことですね.お元気ですか.
あれから,、好評のうちに「数III微積分 (06/18)」「数列と級数 (07/02)」が終わり、その総括を書かなければ、と思いつつ日が過ぎています
今、整理している最中なので、もうしばらくお待ちください.

本日(07 / 09)、「ベクトルと空間座標(06 / 04) 」アンケートの集計もやっと終わったので総括そのページ(クリック)」<イマイチ広場>の「moropapaへの手紙」に公開しましたので、ぜひお読みください.
同じ目的を持った同年代の若者の意見や考え方を知ることも、よい勉強になるでしょう.
本日(08/18)、改訂版 をアップしました.同ページ、<イマイチ広場>の「moropapaへの手紙(改訂版)からアクセスしてください.

本日(07/23)、 「数III微積分 (06 / 18 ) の総括」としてアンケートと私のお返事「そのページ(クリック)」<イマイチ広場>の「moropapaへの手紙」に公開しましたので、ぜひお読みください.

<お待たせしました>
本日(08/16)、下記を公開します.
      「数列と級数 (07 / 02 ) の総括」
例によってイマイチ講座の「数列と級数」(クリック)<イマイチ広場>の「moropapaへの手紙から入ってお読みください.

<おしらせ>
イマイチ講座 「複素数と複素数平面」 

     09 / 17(土) 15:00~16:30 会場は河合塾横浜校
です.詳細はパンフレット(クリック)をご覧ください.
まず、この入り口の「虚数の概念」 からして、「アル」とか「ナイ」とかのレベルからメチャメチャになっているのではないか. 実をいうと 、あたしゃ怖いよ.
とにかく元気な顔を見せてください.何とかしましよう

 

「ベクトル・空間」を終えて(2)

要するに、このイベントで私は何をやりたかったのか、実際には何がやれたのか、を真摯に検証しておかなければならない.イヤな作業だが自分で蒔いた種だから仕方がない
この「ベクトルと空間座標」というテーマをそれなりに講義しようとすれば爺さんの独断と偏見(?)を貫くしかない.なにせ、高校の教科書には「平面の方程式」が入っていない.だから「空間座標」全体がガタガタになってしまっているのだ.それを何とかつないでやりたいと思うが、それは親心というより、まあ教師の性(さが)というものだろう.
まず、 xy 平面上の直線
l~:~ax+by+c=0
の係数である a, b を成分とするベクトルが上記の直線に垂直(法線ベクトル)であることをわかってもらうことだ.そして、この方向の単位ベクトルから「正射影の長さ」「正射影ベクトル」を説明して、「点と直線との距離の公式」として誰もが知っている
|ax_0+by_0+c|/\sqrt{a^2+b^2}
を誘導して見せる.このテーマのマクラにHesseの標準形の説明をしたが、すでにここで「丸い目が三角になった」ことがアンケートから読み取れる.面白かった.
さて、そこまで行けば、空間のおける「平面の方程式」
\pi~:~ax+by+cz+d=0
で表されることから、上記と同様に「点と平面との距離の公式」
|ax_0+by_0+cz_0+d|/\sqrt{a^2+b^2+c^2}
で与えられることは簡単に了解できるはず.まあ、テキストには詳しく書いておいたからその気になればイッキに読み通せると思う.ちょっと目先が広がったのではないかなあ.

ハナシは前後するが、全体では、まず「ベクトルとは何か」類別の説明.そして「 1次独立」を説明し以下「分点公式」を水源として「ベクトル方程式」「領域」までを1からげにする
その上で 「内積」だが、これが問題だ.あまりよくわかっていない.そしてその定義
\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{b}=|\overrightarrow{a}||\overrightarrow{b}|\cos\theta\cdots\cdots\cdots\cdots(1)  
\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{b}=a_1b_1+a_2b_2\cdots\cdots\cdots\cdots (2)
だが、「どっちがホント?」と聞いてみた.みんなキョトンとしていたが、爺さんとしては(2)だと思う.そして(1)は(2)に合わせるためにカタチを整えたと読める.その証拠に(1)で2つのベクトルのどちらかを単位ベクトルにとれば正射影につながってくる.それを、まだ意味の見えない(1)から入って図形的イメージに振り回されてボロボロになってしまった.ちがうか?
そこで(1)と(2)をつないでみる.教室で
|\overrightarrow{a}||\overrightarrow{b}|\cos\theta=a_1b_1+a_2b_2
と書いて、「証明したことある?」と聞いてみた.しかし、そんなことは思いもしなかったようだ.
というのは、内積計算のカナメになる「分配則」
\overrightarrow{a}\cdot(\overrightarrow{b}+\overrightarrow{c})=\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{b}+\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{c}\cdots\cdots\cdots\cdots (3)
(2)の形からしか証明できない.それを「文字計算と同様に」とだけ覚えて切り抜けようとするからベクトルだかスカラーだかわからなくなってゴチャゴチャになってしまうのです
だから心当たりの人は、急きょ(2)の定義にしたがって(3)の証明を試みてください.要するにこの(3)が「内積の芯柱(しんばしら)」なのです君たちの最もシリアスな病根叩きのめす良い勉強になりました

さて、次は「数III微積分  06/18(土) 」です.この時期に「その全体」を眺めておくことはとても良いと思います.2学期に飛躍的な展開をするための基礎工事です.
また元気な顔を見せてください.